統合失調症
20歳 / 男性 / 大学生
幼少期はおとなしく真面目な子どもでした。ただし風変わり、個性的なところもありました。思春期になり内向的な傾向が増しました。大学へ入学するも、通学せず、自宅へひきこもり、意味不明な独り言を言うようになりました。そして「皆が俺を見張っている、狙っている、危ない、助けてくれ」とおびえるようになりました。心配した両親は大学の保健室へ相談したところ、統合失調が疑われるため、何とか本人を連れてくるよう指示されました。
20歳 / 男性 / 大学生
幼少期はおとなしく真面目な子どもでした。ただし風変わり、個性的なところもありました。思春期になり内向的な傾向が増しました。大学へ入学するも、通学せず、自宅へひきこもり、意味不明な独り言を言うようになりました。そして「皆が俺を見張っている、狙っている、危ない、助けてくれ」とおびえるようになりました。心配した両親は大学の保健室へ相談したところ、統合失調が疑われるため、何とか本人を連れてくるよう指示されました。
42歳 / 男性 / 公務員
几帳面、真面目な性格で上司からの信頼も厚く、同期の中では最も早く管理職に昇進しました。しかし仕事量は倍増し、終電で帰宅する日々が続き、休日出勤も多くなりました。
自宅では妻から家庭・子供のことも考えて欲しいと言われましたが、その余裕はありませんでした。次第に、体がだるく、頭は重く、仕事にも集中できなくなりました。内科を受診しても異常なく、神経科の受診を勧められました。
28歳 / 女性 / 会社員
天真爛漫な性格でどこでも人気者でした。しかし思春期頃から思い悩む時も生ずるようになりました。理由のある時もあれば、特に理由もなく気持ちの沈むことが起きるようになりました。その反対に気持ちが高ぶり、お喋りになったり、買物をし過ぎたり、軽はずみで男性と交際したりして、後で後悔することも少なくありませんでした。
30歳 / 女性 / 会社員
大学卒業後、希望の会社に就職し、明るく楽しく働いていました。しかし数年経ち、同期の男性が異動する中、自分の仕事はあまり変化なく、やり甲斐を感じられなくなっていました。 また、交際中の男性とは結婚話が進まず、喧嘩することも少なくありませんでした。このため、先行きの不安を漠然と覚えていたのですが、ある日、満員の通勤電車の中で動悸・呼吸困難・発汗・振えなどを生じました。
23歳 / 男性 / エンジニア
元来、内気で、機械やコンピューターを扱うことの好きな性格でした。理工系の大学を卒業後は、システム・エンジニアとして働くことになりました。
しかし毎日の仕事はシステム・メンテナンスもさることながら、お客様の対応に追われることに終始しがちでした。会社へ戻れば新人として上司からも叱られることが少なくなく、板ばさみの状況になりました。このため次第に、頭や胃が痛くなり、寝つきが悪くなりました。
18歳 / 女性 / 大学生
明るく社交的な反面、繊細で、幼少期から母親の言動に気を遣い育ちました。両親の希望する大学へ入学してからは、サークルの先輩である男性と交際するようになりました。
しかし、彼氏の些細な言動も気にすることは変わらず、ある日、彼氏から「太ったな」と言われたことに大変、心が傷つきました。それ以来、食事が思うように食べられなくなり、体重が激減しました。一方で大量に食べて吐くようにもなりました。
24歳 / 男性 / 会社員
幼少期から落ち着きなく、うっかりミスも多く、担任の教師から叱られることが多かったです。しかし教師も両親も性格や個性だと思って見過ごしていました。社会人となり、ミスが会社の損失を左右することとなるため、上司が人事や産業医に相談したところ、注意欠陥多動性障害、ADHD. Attention Deficit Hyper Activity Disorder が疑われるとのことで、紹介受診となりました。
45歳 / 男性 / 会社員
社会人になり先輩に連れられ飲酒するようになりました。飲める体質で、週末は二次会・三次会まで付き合い飲み歩きました。30歳過ぎ、仕事で失敗し、落ち込み、睡眠薬代わりに連日連夜、飲酒するようになりました。気が滅入る時には隠れて昼間から飲むこともありました。顔にも態度にも出ないため、周囲は気づきませんでした。しかし検診にてγGTP:500が検出され、即受診を命じられました。
34歳 / 女性 / 家事
母子家庭に育ち、母親に厳しく躾けられ、甘えた記憶があまりない。家庭は裕福とは言えず、友人の持ち物が羨ましく思えた。就職・結婚して、経済的には豊かになったものの、どこか心満たされないところがありました。ある時、デパートで化粧品を無断で鞄に入れたところ、何とも言えない感情の高ぶりを覚えました。次第に繰り返すようになり、数ヶ月後、警察に逮捕されました。
38歳 / 女性 / 家事
結婚するまでは優しい夫でした。それが、子どもを産んでからか束縛されるようになり、毎日いつどこで何をしていたのか報告させられるようになりました。お金も自由に使わせてもらえませんでした。夜の営みも一方的で、嫌がると暴力を振るわれました。暴力はエスカレートし、夫の気に入らないことがあると、頻繁に殴られたり蹴られたりしました。最終的に、友人や両親へ相談し調停離婚しましたが、心の傷「トラウマ」は「フラッシュバック」となり、いまだによみがえってきます。
映画に学ぶ精神疾患
以下の映画は精神疾患を学ぶ上で参考になるでしょう。
悲観的な作品もございますので、ご病状のすぐれない時は視聴をお控え下さいませ。
アルコール依存症 | リービング・ラスベガス | PTSD | 普通の人々 |
---|---|---|---|
溺れる人 | 摂食障害 | クワイエットルーム にようこそ | |
統合失調症 | ビューティフルマインド | 境界性パーソナリティ障害 | 17歳のカルテ |
シャイン | 精神遅滞 | フォレスト・ガンプ | |
うつ病 | ツレがうつになりまして | 発達障害 | レインマン |
私はうつ依存症の女 | 吃音症 | 英国王のスピーチ | |
躁うつ病 | 心のままに | 精神科病院 | カッコーの巣の上で |
パニック障害 | 阿弥陀堂だより | 人生、ここにあり! | |
強迫性障害 | 恋愛小説家 |
売れない作家・孝夫(寺尾聰)と有能な医者・美智子(樋口可南子)の夫婦は、美智子がパニック障害にかかったことを機に東京を離れ、孝夫の故郷・信州の山村に移り住むことに。がんに冒された恩師(田村高廣)や、難病でしゃべれない娘・小百合(小西真奈美)、そして阿弥陀堂で暮らす96歳の老婆おうめ(北林谷栄)など、村の人々との温かい交流の中、夫婦は生きる喜びを取り戻していく…。デビュー作『雨あがる』で世界的にも絶賛された小泉堯史監督による第2作。奥信濃の四季を追うその映像は、この世とは思えないほど荘厳な美しさをたたえており、その中でささやかに生き死にしていく人々の静かで凛とした姿は、現代がなくしてしまった大切なものを思い起こしてくれる。虚飾を捨て、自然と共存することがいかに心地よいものであるかを、シンプルかつファンタジーのように濃厚な世界観で伝えてくれる、摩訶不思議な味わいに満ちた秀作である。(的田也寸志)
精神医学を学んでみようと思ったら
以下の書籍は精神疾患を学ぶ上で入門書としてお勧めします。
総論 | 書名 |
早期発見 早期治療 |
「心の病、初めが肝心早期発見・早期治療の最新ガイド」 水野雅文 |
地域精神医療 | 「精神科地域ケアの新展開」 水野雅文、村上雅昭、佐久間啓 |
精神病理学 |
「精神医学エッセンス」 濱田秀伯 |
「名作マンガで精神医学」 林公一/村松太郎監修 |
|
精神科 看護学 |
「看護のための精神医学」 中井久夫、山口直彦 |
精神科 養生訓 |
「精神科養生のコツ」 神田橋條治 |
薬物療法 | 「こころの治療薬ハンドブック」 |
認知療法 | 「はじめての認知療法」 大野裕 |
森田療法 | 「はじめての森田療法」 北西憲二 |
内観療法 | 「内観療法」 (心理療法プリマーズ) 三木善彦、真栄城輝明、竹元隆洋編著 |
その他 | 「夜と霧」 ヴィクトール・E・フランクル |
各論 | 書名 |
アルコール症 | 「アルコール依存症を知る!―回復のためのテキスト」 森岡洋 |
統合失調症 | 「ササッとわかる『統合失調症』」 水野雅文 |
うつ病 | 「最新版『うつ』を治す」 大野裕 |
「『うつ』は病気か甘えか。」 村松太郎 |
|
躁うつ病 | 「双極性障害、躁うつ病への対処と治療」 加藤忠史 |
摂食障害 | 「摂食障害と寄りそって回復をめざす本」 切池信夫(監修) |
人格障害 | 「パーソナリティとは何か」 牛島定信 |
境界性 人格障害 |
「境界性パーソナリティ障害」 林公一 |
「絆の病 境界性パーソナリティ障害の克服」 岡田尊司、咲セリ |
|
発達障害 | 「ササッとわかる『大人のアスペルガー症候群」との接し方」 加藤進昌 |
眠れない、食欲がない、会社や学校に行きたくない――。
誰にでもよくあることです。でも、これは精神疾患発病の兆候です。うつ病や統合失調症など、心の病は不眠・不安といった平凡な症状から始まるのです。この時期に示されるこれらのサインを見逃してはいけません。病気の中でもとくに精神疾患は、早期の対処が大事です。発病を防ぎ、遅らせ、重症・慢性にさせないためです。予防から社会復帰まで、東邦大学医学部教授(日本精神保健・予防学会理事長)が、認知行動療法などを含めてやさしく解説します。著者は産業医も務めています。本人、ご家族、職場の方に役立つ一冊です。
うつ病などのメンタルヘルス疾患を発症し、休職や退職をせざるをえないビジネスパーソンが、年々増加の一途をたどっている。正規社員になれば、むごい働き方でストレスを受け、非正規雇用を選択すれば経済的窮地に陥る――継続的な我慢をせずに、仕事を続けていられる人など、ほんの一握りにすぎない。また日本人の三大死因「がん」「心疾患」「脳血管疾患」を引き起こす根本原因もストレスなのである。
本書は、人を死に至らしめる心因としての「キラーストレス」の正体と、ストレスから身を守るための対処法を、三つのキーワード「頑張らない」「あきらめる」「空気を読まない」を中心に解説。世界最先端の認知行動療法(ストレスコーピング)をはじめ、伝統的な日本発祥の内観療法や森田療法なども紹介する。