コンセプト
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「現代都市」特に「東京」の発展は著しい21世紀を迎えても人口は増加の一途、2009年には1300万人を超し、まだ右肩上りです。ニューヨーク・ロンドン・パリを超し、世界一の巨大都市となりました。東京駅から東京湾にかけ超高層ビルが立ち並び、多く人々が働いています。都内はもとより、関東全域が通勤圏となり、東京都市圏の昼間人口は3500万人を超えています。そして、2021年にはコロナ厳戒態勢下でありますが「東京オリンピック」を控えています。
しかし「都市環境」は「精神疾患」の「発症・増悪」に影響を及ぼします。人間の「遺伝子」と「相互作用」を生じ、統合失調症の一因になるとまで言われています。都市からは緑が失われ、無数のビルが立ち並び、ビルには深夜まで電気がつき、IT業務が続けられます。仕事は業績重視とされ、不良が続くとリストラされることも少なくありません。雇用は正規から派遣が中心となり、アジア・アフリカからの労働者も増えています。この傾向は昨今の経済不況や少子高齢化により、年々、悪化しています。
このような環境要因から、人々は不眠・不安・うつ等を発症し、就労不能に陥ります。軽症にて就労困難、中等症で就労不能・休職療養を要します。「現代都市」は、古き良き昭和の時代や現在も認められる地方の田園や里山の「寛容」が失われました。些細なミスでも責任を追及され処罰されます。「現代都市」が「ストレス脆弱性」を高め、「レジリアンス」を下げていると言っても過言ではないでしょう。
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このような熾烈な環境において、私たちは2008年「銀座泰明クリニック」を開業しました。当時、東京でもこの分野で気軽に受診できる医療機関が少なく、受診しようと思っても、周囲の「偏見・差別」などなどから、受診をためらわれるのが実状でした。私たちはこのような状況を少しでも改善するため、東京・銀座で夜間・土曜も診療を継続してきました。
その際「理想」としたサービスモデルが"OTP. Optimal Treatment Project 至適な地域における包括的アプローチ(治療実施計画)"でした。Dr. Ian Falloon がOxford 郊外にてはじめた実践的な治療は国際的共同研究となり、小生の恩師である「水野雅文先生(東京都立松沢病院・院長)」により日本へ紹介されました。主な治療の対象は未治療や難治性の統合失調症ですが、その治療理論は普遍的であり地域や疾患を選ばないと思います。現在も迷いを生じた時「初心を忘れるべからず」と教科書を開く次第です。
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開業15年目を迎えた2021年現在、アルコール・薬物・プロセス依存症、パーソナリティ障害、神経発達症など、都心のクリニックでは治療困難とされる疾患も地域・社会における責任として積極的に診療してまいります。当然のことでありますが「患者さんのため」「地域・社会のため」を第一の「理念」と考えております。
一方、この10-20年間、都心に精神科・心療内科のクリニックが増加・集中、地方の精神科病院は減少・不足すること著しく、いわゆる「医療偏在」が精神科でも問題視されています。これには当院もかなり責任を覚えております。そこで当院は改めて「患者さんのため」「地域・社会のため」そして「精神医療を少しでも進化させること」を「理念」としております。それができなくなったら存在理由はないと憂慮しております。そして、皆様が必要として下さる間は、誠心誠意、尽してまいりたいと存じております。引き続きご指導ご鞭撻よろしくお願い致します。
2021年4月1日
理事長:茅野 分
提携医療機関
東京大学医学部附属病院
慶應義塾大学病院
済生会中央病院
聖路加国際病院
国立精神・神経医療研究センター病院など
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