よくある質問
Q&A「頸椎椎間板ヘルニア」と「うつ病」について
ネプチューン・名倉潤さん(50)が「2018年6月末に『頸椎板ヘルニア』の手術を行い、10日間の休養をいただきましたが復帰いたしましたが、その後、手術の経過は良好な一方で、手術の侵襲という普段の生活圏にはないストレスが要因でうつ病を発症し、一定期間(約2カ月間)の休養が必要という医師の診断により」休職することなったそうです。心よりお見舞い申し上げます。
当院へも「椎間板ヘルニア」による「慢性疼痛」と「うつ病」を併発し、受診される患者さんは大勢いらっしゃいます。また「慢性疼痛」特に「腰痛」が「心理的ストレス」により生ずるというエビデンスも昨今、多々、報告されています。
ただし、今回の報道を拝読しますと、通常の症例と印象がやや異なります。手術の経過は良好であり、1年間経過しており、番組へも十分復帰されているにもかかわらず、うつ病に罹患されたというのは、「手術の侵襲」と今回の「うつ病」との因果関係はいかほどなのだろうかという疑問です。
「頸椎椎間板ヘルニア」の治療は、症状として上肢への放散痛が主たる場合、いわゆる「保存的療法」と呼ばれる治療法を原則とします。保存的療法にても上肢痛が軽減しない場合や、上肢の筋力低下が改善しない場合に「手術的療法」が行われます。
手術後は「頚椎カラー」を装着する事もありますが、翌日には起床して歩行器を用いての歩行を開始します。通常は術後10-14日目に退院できます。しかし、術前から歩行障害などが見られる場合は、術後のリハビリテーションが数週間から数ヶ月必要となります。
退院後は定期的に来院し、神経症状の診察と頚椎X線撮影による頚椎のチェックを行います。術後の通院は3-12ヶ月必要となることが多いです。仕事や学業への復帰は術前の症状によりますが、通常は術後、1-2ヶ月が一応の目安です。(日本整形外科学会・日本脊髄外科学会より引用改変、メディカルノートより引用)
うつ病の「誘因」と「発病」はいわゆる「心因性うつ病」または「反応性うつ病」(心因性うつ病とは、性格や環境がうつ状態に強く関係している場合です。抑うつ神経症(神経症性抑うつ)と呼ばれることもあり、環境の影響が強い場合は反応性うつ病という言葉もあります)ならば、少なくとも数週間程度であり、約1年間を経て休職へ至ったとするならば、その間に他に様々な「要因」が想定されるということです。これ以上はご本人ご家族の「個人情報」に関わることですから、敢えて言及いたしません。本日、複数のマスコミ各社より問い合せをいただいたため、簡略に回答させていただく次第次第です。