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群発自殺、芸能界で連鎖する自殺、三浦春馬さんから竹内結子さんまで

令和2年になり、三浦春馬さんから竹内結子さんまで、芸能界で自殺が相次いでいます。病因・誘因・心因など、それぞれ異なるでしょうが、ここまで連続しますと、これは自殺が「連鎖」している異常事態と言わざるを得ないでしょう。

「群発自殺」という精神医学用語がございます。限られた地域に高頻度で自殺を生ずる場合に用います。近年インターネットにて自殺志願者が呼びかけ合い「集団自殺」したことがありました。今回はマスコミ報道に影響され、芸能界という特殊な閉鎖空間において「連鎖」しているのではないでしょうか。

「ウェルテル効果 Werther Effect」という社会現象もございます。マスコミによる自殺報道に影響され、自殺が増加する社会現象をいい、これを実証した社会学者「ディヴィッド・フィリップス博士David P. Phillips Ph.D.」により命名されました(1974年)。「ウェルテル Werthers」は「ゲーテ Goethe」による「若きウェルテルの悩み Die Leiden des jungen Werthers(1774年)」に由来します。本作の主人公「ウェルテル」は最終的に自殺しますが、これに影響された若者が、彼と同じ方法で自殺した現象を起源とします。

「若きウェルテルの悩み」とは青年ウェルテルが婚約者のいる女性シャルロッテに恋をするも、叶わぬ思いに絶望し、自殺するまでを描きます。出版当時ヨーロッパにてベストセラーとなり、主人公のウェルテルを真似、自殺する若者が急増する社会現象を巻き起こしました。そのため刊行時「精神的インフルエンザ病原体」と呼ばれたそうです。

2020年、日本、いや世界は、コロナウイルス感染症により、社会全体が「うつ状態」に陥っていると言っても過言ではありません。多くの人々が亡くなり、都市は閉鎖され、オリンピックも延期になりました。まだワクチンも治療薬も開発されない中、来年のオリンピックも開催されるかどうか定かでありません。それよりも、経済は破綻し、多くの人々が失業されています。「自殺」は将来へ「希望」を見いだせない時、すなわち「絶望」した時に行うと考えられています。

このような状況下において必要なことは、個人も社会も同様です。現実を客観的に把握すること、現実的・合理的な対処法を考えること、そして具体的な実行案を着実に遂行することです。急がず、焦らず、落ち着き、取り組みましょう。

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