よくある質問
Q&A「心」の病気にはどのようなものがあるのでしょうか?
「心」の病気には様々な種類があります。最も一般的な病気は「うつ病」と「不安障害」です。
「うつ病」はその名の通り、憂うつになったり、何も面白くなくなったりすることが特徴ですが、自分の気持ちにはなかなか気づかないものです。気づいてもそれが病気だとは分からないことが多いです。従って、患者さんの多くがはじめは「体」の症状として訴えられます。 すなわち、不眠や食欲不振、頭痛・頭重感、倦怠感・疲労感などです。
「不安障害」もその名の通り、不安になることが特徴ですが、やはり自分では病気だと分からないことが多いです。特にパニック障害という強い不安傷害は、動悸や呼吸困難、めまい、発汗などを生じるため、「心」の病気とは思えず、身体科へ受診しがちで、救急外来を受診することも少なくありません。他にも対人恐怖や社会恐怖、こだわりの強い強迫性障害などは、病気というより、「性格」や「癖」のようなものと誤解されていることがあります。
更に「心」の問題は病気でなく、人生や生活の問題であるとして、警察や弁護士、時には宗教や占いへ援助を求める方もいます。「病気」の定義は色々とありますが、その問題のために心身の違和感や不具合を覚えられている時は受診・相談していただいて結構だと思います。 銀座泰明クリニックでは経験豊かな医師が、適切に診断をして、治療をご提供します。病気が軽症や中等症の時はもちろん当院で適切な治療を行いますが、重症だったり特殊だったりして、専門病院や大学病院での診療が望まれる時は速やかにご紹介もいたします。また医療よりも他の機関でのご相談が望ましい時も同様にご紹介・ご提案いたします。
ご参考までに世界保健機関(WHO)によるICD-10分類もご紹介しましょう。詳しい説明は成書をご参照、またはクリニックで医師へご質問して下さい。
- F00-F09 症状性を含む器質性精神障害
- F00 アルツハイマー病の認知症
- F01 血管性認知症
- F02 他に分類されるその他の疾患の認知症
- F03 詳細不明の認知症
- F04 器質性健忘症候群,アルコールその他の精神作用物質によらないもの
- F05 せん妄,アルコールその他の精神作用物質によらないもの
- F06 脳の損傷および機能不全ならびに身体疾患によるその他の精神障害
- F07 脳の疾患,損傷および機能不全による人格および行動の障害
- F09 詳細不明の器質性または症状性精神障害
- F10-F19 精神作用物質使用による精神および行動の障害
- F10 アルコール使用<飲酒>による精神および行動の障害
- F11 アヘン類使用による精神および行動の障害
- F12 大麻類使用による精神および行動の障害
- F13 鎮静薬または催眠薬使用による精神および行動の障害
- F14 コカイン使用による精神および行動の障害
- F15 カフェインを含むその他の精神刺激薬使用による精神および行動の障害
- F16 幻覚薬使用による精神および行動の障害
- F17 タバコ使用<喫煙>による精神および行動の障害
- F18 揮発性溶剤使用による精神および行動の障害
- F19 多剤使用およびその他の精神作用物質使用による精神および行動の障害
- F20-F29 統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害
- F20 統合失調症
- F21 統合失調症型障害
- F22 持続性妄想性障害
- F23 急性一過性精神病性障害
- F24 感応性妄想性障害
- F25 統合失調感情障害
- F28 その他の非器質性精神病性障害
- F29 詳細不明の非器質性精神病
- F30-F39 気分[感情]障害
- F30 躁病エピソード
- F31 双極性感情障害<躁うつ病>
- F32 うつ病エピソード
- F33 反復性うつ病性障害
- F34 持続性気分[感情]障害
- F38 その他の気分[感情]障害
- F39 詳細不明の気分[感情]障害
- F40-F48 神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害
- F40 恐怖症性不安障害
- F41 その他の不安障害
- F42 強迫性障害<強迫神経症>
- F43 重度ストレスへの反応および適応障害
- F44 解離性[転換性]障害
- F45 身体表現性障害
- F48 その他の神経症性障害
- F50-F59 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群
- F50 摂食障害
- F51 非器質性睡眠障害
- F52 性機能不全,器質性障害または疾病によらないもの
- F53 産褥に関連した精神および行動の障害,他に分類されないもの
- F54 他に分類される障害または疾病に関連する心理的または行動的要因
- F55 依存を生じない物質の乱用
- F59 生理的障害および身体的要因に関連した詳細不明の行動症候群
- F60-F69 成人の人格および行動の障害
- F60 特定の人格障害
- F61 混合性およびその他の人格障害
- F62 持続的人格変化,脳損傷および脳疾患によらないもの
- F63 習慣および衝動の障害
- F64 性同一性障害
- F65 性嗜好の障害
- F66 性発達および方向づけに関連する心理および行動の障害
- F68 その他の成人の人格および行動の障害
- F69 詳細不明の成人の人格および行動の障害
- F70-F79 精神遅滞
- F70 軽度精神遅滞
- F71 中等度精神遅滞
- F72 重度精神遅滞
- F73 最重度精神遅滞
- F78 その他の精神遅滞
- F79 詳細不明の精神遅滞
- F80-F89 心理的発達の障害
- F80 会話および言語の特異的発達障害
- F81 学習能力の特異的発達障害
- F82 運動機能の特異的発達障害
- F83 混合性特異的発達障害
- F84 広汎性発達障害
- F88 その他の心理的発達障害
- F89 詳細不明の心理的発達障害
- F90-F98 小児<児童>期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害
- F90 多動性障害
- F91 行為障害
- F92 行為および情緒の混合性障害
- F93 小児<児童>期に特異的に発症する情緒障害
- F94 小児<児童>期および青年期に特異的に発症する社会的機能の障害
- F95 チック障害
- F98 小児<児童>期および青年期に通常発症するその他の行動および情緒の障害
- F99- 詳細不明の障害
- F99 精神障害,詳細不明
なお「自律神経失調症」とは全身の活動と休息を調節する自律神経の調子が崩れ、頭痛、めまい、発汗、動悸、胃痛、倦怠感・疲労感などを生じる症状群です。一つのまとまった病気の名称ではなく、うつ病や不安障害の症状としてご理解下さい。 そして、やはりうつ病や不安障害が適切に診断・治療されずに、「自律神経失調症」として多くの医療機関を転々とされる患者さんが少なくないのが現状であります。 銀座泰明クリニックでは経験豊かな医師が、適切に診断をして、治療をご提供します。