よくある質問
Q&A大阪、心療内科、ビル火災、放火、大量殺人
本件は犯人・重篤・蘇生中および報道からの情報のみによるため、推論になることをあらかじめご容赦くださいませ。
2021/12/17(金)10時半頃、大阪市北新地「西梅田こころとからだのクリニック」にて放火、大量殺人、27人の死亡確認、犯人は重篤・心肺停止・蘇生中。
61歳 男性
大阪市出身、同胞1名、第2子次男、父が板金工場を経営、27歳時、工場は兄が相続、本人と対立、1級建築板金技能士(国家資格)、腕利きの職人だった、自分にも他人にも厳しかった、後輩の面倒見は良かった、カッとなる時はあったけれど、話せば落ち着き、後に引かなかった、2008年離婚、二人の息子、妻と別れ「ひとりぼっち」になり、悩むようになった、2010年、働かないでいた長男の頭部を包丁で刺し、懲役5年、アルコール・ギャンブル・・・
大量殺人
広義:殺人被害者が未遂を含め2名以上
狭義
1同時型 A同一場所型(古典的)B通り魔型 C家族殺人型(被害者は殺人者の家族)
2非同時型(継続型)A連続型 BSpree型通り魔(Spreeとは乱痴気、馬鹿騒ぎなどの意味)Cその他(殺人仲間の口封じなど、各殺人に因果関係あり)
3混合型(1.2.の合併、茨城県荒川沖駅の大量殺傷事件)
日本では、圧倒的に同時型・単独犯、男性によります。女性の場合、拡大自殺を目的とした実子殺人・家族殺人が大半となります。年齢は単数殺人に比べ高く、30歳代、頻回転職者に多く認められます。被害者は2名が大半、3名以上は極めて稀、しかし1991-2005年の調査によると、年間33件も発生しており、1982-1983年の15件から大幅に増えています。日本では、1960年以降、殺人事件が大幅に減少している反面、大量殺人は21世紀に入り、増加しています。
「無差別」大量殺人、不特定多数の人物を殺害します。
1自己確認型:劇場犯罪。挫折した自己の存在感・万能感を回復するため。弱者への容赦ない攻撃。
2間接自殺型:自殺犯罪。死刑願望より。死刑の執行を受ける意図のもと殺人などの重大犯罪を犯します。自殺未遂・企図歴あり。被害者選択の配慮あり。
3自暴自棄型:熱情犯罪。嫉妬・復讐・不満より。情性欠如・反社会・自己中心的な性格。
家庭・社会の機能不全、責任能力の有無など・・・
加害者の「被害者意識」
”Double Rolle”:「加害者」&「被害者」、「被害者意識」に対する理解とケア、「非行」とは「行動化 acting out」⇔「内省を深める」「自己決定を促す」、「被害者意識」を払拭し「加害者意識」を保持します。自らの「生育歴」を振り返り「思考・行動パターン」の形成機序を知ります。事件の「背景」とその「結果」を把握し、事件の結果を自らの人生で引き受けます。さらに「再犯」しない「新しい生き方」を模索します。および「贖罪意識」を獲得します。
加害者の心理・社会学的特徴
加害者の心理・社会学的な特徴は、愛された体験に乏しく(愛情遮断症候群)、他人を心から信頼できず、他人と上手く接することができず「未熟、小心、衝動的」のため、結果的に取り返しのつかない事件を起こしてしまった「不幸な人々」です。犯罪白書より、70%の人々は再犯しません・更生します(30%の人々が再犯しました)。犯罪者≠受刑者、受刑者の多くは、無職、住所不定、低学歴・低所得、高齢者・障害者など、参照:「獄窓記」「累犯障害者」山本譲司 「刑務所の風景」浜井浩一。従来の「心を強く」という「精神論」は効果なく、認知や行動の変容は有効でありますが、 それは「周囲の支持」があってこそ「福祉」との「協働作業」が欠かせません。